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2009年2月

黒澤明が描く人間・社会原理の矛盾とエゴ「羅生門」

先日(1月のことだが)、黒澤明監督の「羅生門」のデジタルリマスター版が世界で初めて公開されたのを機に、新宿角川シネマ(伊勢丹前)まで見に行った。
「羅生門」といえば、芥川龍之介の短編小説「藪の中」を中心に、「羅生門」からも一部内容を取り入れ、1951年のベネチア映画祭でグランプリとなる金熊賞を受賞した世界的な傑作の1つだ。ウィキペディアなどによると、「羅生門」で採用された複数の視点を同時進行・回想させて1つの「物語」を構成するという手法は、当時画期的なものであり、その後の映画製作に大きな影響を与えたとか。

デジタル技術で復活した「羅生門」
今回のデジタルリマスターは、総計で12万以上となる「羅生門」のコマを、現存する素材の中で最も状態の良い'62年の上映用プリントと、角川映画が保存していたマスターポジという2つの素材の状態の良い部分を選択し、ハリウッドの最新デジタル技術で修復・再構築した。
オフィシャルホームページに掲載されていた写真を拝借するが、Photo こうやって並べてみると確かにその画質のクリアさは歴然としている。そもそも論として、画質の悪さも含めて「黒澤映画」だという盲信的な解釈を主張する意見もあると思うが(撮影技術という物理的制約を時代的背景として受け止めるという考え方)、現代の撮影技術によって製作された映画に慣れた目や耳からすると、現在、残されている黒澤映画の画質や音声のクオリティは決して良いものとはいえない。それが今回のリマスターにより、画質の面では、大きく改善された。音声に関しては相変わらずだったが。
これは映画ファンにとって、単純にうれしく、大きなエポックである。

エゴイズムが渦巻く人間・社会の縮図
と、うんちくを垂れてしまいましたが、実際に映画を見たら、そんなことは忘れてしまいます。
レンタルを含め、今回が3回目の視聴でしたが、「羅生門」の中で、黒澤明が描く真実は、人間性、社会原理、文化・慣習といった常識(コモンセンス)が抱える大いなる矛盾(=エゴイズム)であり、それがいかに浅はかな認識の上に形成され、自己保身のために利用されているのかを指摘している。
映画の中では、主人公の盗賊・多襄丸(三船敏郎)、武士(森雅之)、武士の妻(京マチ子)、それぞれがある“出来事”を回想するが、その顛末は各人とも異なる。結末で、物語の語り役である杣売り(志村喬)により本当の事実は明らかにされるが、なぜ各人が事実を捻じ曲げ、物語を仮構しているのか?Photo_2 ひとえに自己保身のためで、それゆえの作られた強さ(虚勢)とそこから滲み出る脆さが同居した人間や社会の矛盾を浮かび上がらせている(この虚勢に隠れた脆さ・弱さを、三船敏郎はホントに巧みに演じています)。その矛盾に気付き、人間不信に陥るのが旅法師であり、その矛盾を肯定的に受け入れ、自らのエゴイズムを極限まで発揮するのが下人となっている。
そして、その矛盾を指摘し、人間の無様さに対して激しい怒りを示すのが、実は京マチ子である。この京マチ子の迫真の演技。まさに必見です。エゴイズムが渦巻く人間・社会の縮図がここにあります。

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青山通りに出現した環七演劇「その夜明け、嘘」

昨日、「その夜明け、嘘」を見に行った。
Photo_2 宮崎あおい、吉本菜穂子、六角精児の3名だけで構成される演劇で、演出は福原充則。
子供が生まれてからは、演劇からは足が遠のいているのだが、年に1回ほどは行くようにしている。
ちなみに昨年は、劇団夜想会が主催する「原爆乙女」を見に行った。

出演者と空間・時間を共有して作り出す「物語」

舞台は、青山円形劇場。行ったことある人なら分かると思いますが、360度どこから見ても舞台が見えるようになっていて、しかも、箱が狭い!手の届く範囲に篤姫、いや宮崎あおいがいる!はじめて見る「生あおい」は、テレビでの印象より背が高く、驚くほど手が長い。そして、細い。15年位前に観月ありさを広尾で見たことがあるが、その衝撃以来の手足の長さ&細さでした。やっぱり芸能人ってスタイルが違いますね。
内容は、新連載の〆切に迫られる漫画家である「先生」(宮崎あおい)とアシスタント「あやめ」(吉本菜穂子)が、担当編集者「あきるの」(六角精児)の催促を避けるために、夜中の環七を自転車で走り、逃げるというコメディ。環七を走りながら、「先生」は新連載のアイデアを考え、このアイデアも演じられていく。そのため、出演者はコロコロと役柄を変えながら展開していく。
あの狭いステージを、3人の役者が、1人3役、4役・・・をこなしながら、縦横無尽に駆けずり回り、ストーリーが疾走感を持って進んでいく。演劇の場合、映画と違い、観客も出演者と一緒にその空間や時間、場の空気を共有し、青山通り沿いに「環七物語」を一緒に作り出していく。さらに舞台上の大道具・小道具は数が限られるため、普段使わない五感を自覚・経験することができる。
映画も大好きだけど、舞台もやっぱり良いですね。
子供の世話をしてくれば、実家の両親に感謝!

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練馬大根拝覧!!「ねりま漬物物産展」

Photo_8 先月のことだが、西武デパート池袋店で開催された「ねりま漬物物産展」に行ってきた。毎年恒例のようで、今年で21回目になるという。
なぜ、練馬の漬物なのかというと、練馬には「練馬大根」という伝統野菜があり、Photo_6 江戸時代から沢庵用に盛んに栽培されていたことに由来する。重さは通常で1~2kg前後、長さは約70-100cmほどにもなる。

ただ、戦後は都市化が進んで耕作地が減少したのと、長くて引き抜きにくい大根という特性から青首大根(練馬大根は白首系)にその地位を奪われてしまい、今では生産農家も限られてしまっています(ちなみに練馬大根から品種改良された三浦大根も同じく青首普及に伴い激減)。
そんな中、種の保存と食文化継承のため、練馬区主導により区内の農家で生産。区内漬物業者による「練馬漬物親睦会」で漬物に仕上げ、販売されているわけです。
今では、東京を代表するブランド野菜として人気も高まっているとか。練馬区では、「練馬大根引っこ抜き競技大会」を毎年開催し、練馬大根の認知普及や消費拡大にむけた活動を行っているようです。

昭和レトロな味がする「練馬大根沢庵」
会場で販売されていた練馬大根の沢庵は、昔ながらの塩とぬかのみで漬け込んだもので、「ねりま本沢庵」1本525円(税込)!Photo_7
早速食べましたが、歯ごたえ十分で、塩が若干の苦味をかもしだして、農作業のような重労働の後に食べると、塩が体に染みそうな味でした。
説明うまくなくてどんな味か想像つかないかもしれませんが、普段食べる沢庵のような分かりやすい甘さはなく、ホントにシンプルな味でした。野菜本来のほのかな甘味と苦味が混じっていて、「ALWAYS三丁目の夕日」の食卓に必ずあるような、なつかしい味でした。
ちなみに練馬には漬物業者が多いみたいで、この「ねりま本沢庵」を製造している高山食品のほか、高山商店(ここの社長の高山恵一郎さんは練馬漬物親睦会の会長を務めてらっしゃいます)、オザワ食品工業、雅香岡田などなどが、漬物や紅生姜、がり、キムチなどを製造・販売しています。
高山って名前が多いのも練馬大根の特徴かもしれません。
Photo_5

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坊っちゃん列車と道後の神

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これが松山名物の「坊っちゃん列車」です。
明治21年から67年間にわたって、松山市民の足として活躍した蒸気機関車がモデルになっています。夏目漱石の「坊っちゃん」の中で、軽便鉄道時代の伊予鉄道が「マッチ箱のような汽車」として登場しており、四国・松山の中学校に赴任する主人公の坊っちゃんがこれに乗ったことから、坊っちゃん列車と呼ばれるようになったそうです。
2001年初頭に復元計画が発表され、同年10月から一般運転を開始、1日最大17往復(平日、土日は2往復増)走っています。ちなみに、停車する駅は、道後温泉、大街道、松山市駅、JR松山駅前、古町駅といった松山の中心となっている駅のみとなっています。
なお昔は言うまでもなく、石炭で蒸気の力で動いていましたが、現在はディーゼルエンジンを採用しています。ただ、煙突からは蒸気を煙のように放出し、いかにも明治時代の風景を再現しています。
今回の帰省では乗らなかったのですが、過去に2回ほど乗ったことがあります。
列車の中は木目調で、昔の制服を着用した機関士と車掌が乗車しています。
停車駅に近づくと車掌が駅名と降車客を案内・確認するなど、昔ながらの運営方法がとられています。

道後温泉を守る神たち

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道後温泉駅から伊佐爾波(いさにわ)神社に続く坂道。
この坂道を上って、さらにこの階段を駆け上がれば、伊佐爾波神社にたどり着きます。Photo_8
道後の初詣は石手寺が有名(ゆく年くる年にもたびたび登場)ですが、この伊佐爾波神社もよく行く場所です。ただし、この心臓破りの階段が苦でなければの話ですが。 

 

今回は、義父母の体力の関係から、道後温泉裏手ある湯神社に行きました。ここも階段はあるのですが、心臓は破られません。前を歩いているご婦人は、相当辛そうですが・・・。
Photo_7
この湯神社、道後温泉の守護神で、毎年「湯祈祷」が行われ、道後温泉の湧出を感謝・祈願しています。いわば道後の神様ですね。
湯神社の裏手からは道後温泉本館が一望できます。その様は、まさに湯神社が道後温泉を見守っている姿、そのものです。オススメの景観ですので、道後に訪問する際は、ぜひとも足をお運びを。
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これで松山帰省シリーズは終了です。

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節分豆まき大会に石原裕次郎が来た!!

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今日は、我が家の近所「椎名町」で節分豆まき大会があった。
昨年から始まったこの豆まき大会は、地元の商店街が主催で、椎名町駅から徒歩1分の長崎神社で、地域の年男・年女の人たちが壇上から観衆に向かって豆をまくというのものだ。13:30、14:30、15:30の3回行われた。
昨年は雪が舞う中での開催だったが、今年は快晴。
また、まかれる豆袋のうち、いくつかは当たり券が入っていて、地元商店街での買い物や食事が割り引かれるなどのサービスを受けることができる。
そのためか、みんな本気。少なくとも伊右衛門はマジに取りに行った。

昨年は、壇上に知り合いがいたため、その“コネ”でたくさん取ることができたのだが、今年は無し。その結果、取れたのは2袋。当たり券はなし。残念。自分の実力を思い知らされました。
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でも、今年は石原裕次郎に会うことができたので、良い年になりそうです。
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裕次郎そっくりさん。隣は神田正輝??

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愛媛・松山の中心地「銀天街」

松山帰省第二弾です。
毎年、年末年始に帰っているため、友人や同僚からは「松山とか愛媛、詳しいんでしょ?」と聞かれるけど、実のところ観光地らしきところはほとんど行ったことがない伊右衛門です。

松山市民の遊べるスポット「銀天街」

前置きはこのくらいにして、松山の中心地を紹介します。
Photo
ここが松山の繁華街「銀天街」。今回、はじめて行きました。
大街道とまつちかタウンの間にある商店街で、これら3つの商店街を合わせて松山中央商店街となっています。戦前からある商店街のようで、大街道から行くと銀天街は途中で右に直角に曲がり、まつちかタウンまでつながっています(なので全体でL字型をしている)。
全体の地図はこちら

大街道と銀天街に大きな違いはなく、通りを挟んで区画されています。まつちかタウンは、その名の通り、いわゆる地下街。新宿サブナードの小型版みたいなもんです。
洋服屋、靴屋、本屋、八百屋、陶器屋、薬屋、飲食店、パチンコ、ゲームなどなどありとあらゆる店が並んでいます。なので、この商店街に来れば、とりあえず生活必需品は揃うし、若者が遊べそうな店舗もあり、地元市民、特に若者にとってはなくてはならないスポットになっています。

ただ、こういうと地元の人に叱られるかもしれないけど、いわゆる“松山らしさ”がないのが残念ですね。個人商店もあるのですが、それ以上にけばけばしい装飾を施したチェーン店が目立ってしまい、商店街の印象を決めてしまっています(年末年始だから営業していないお店も多かったかもしれませんが)。後継者不足、大手の進出などにより個人商店の地位が相対的に下がってしまっているのでしょうが、中途半端に東京を目指したけどなりきれなかった感じがします。ちなみに裏通りには、お洒落なブティックもあります。
別カット

まぁ、松山らしいといえば、道後温泉に行けばいいじゃないかという声も聞こえてきそうですが。
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銀天街を少し外れたところにあるパン三葉屋

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